僕は真冬のさむしいシャッター街を コートのポケットに手を突っ込んで歩いていた 枯れ葉だの ガムの包み紙だの 金具の外れたキーホルダーだのが 歩道に落ちていた 肩からずり落ちるリュックを背負い直そうと ポケットから手を出したら 硬貨が1枚飛び出した …
青空には ちぎれ雲 葦の香りと 輝くてんとう虫 僕は西風に撫でられながら 川べりに腰を下ろし 水面に釣り糸を垂れた 誰もいない、 さわさわと踊る風の音と 遠くに見える数頭の羊の 平たい鳴き声だけが 僕の瞬間の裏を飾る 左、右、手前にと引っ張られる浮き…
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