《悲しみのウタツグミ》
11月の
枯れた木の幹
かさかさと
爪で触れる
雨上がりの地面には
木の葉がへばりつき
ここ 北の地の太陽は
こんなにも慈悲深く
こんなにも鋭く痛く
これほどまでに 銀色
くるくるくるくる
行ったり来たり
私は濡れそぼった羽根をばたつかせ
一軒家の裏庭の芝生に落ちる
みみずも
人が落とした胡桃のかけらも
私の心を肥やすことは ない
なぜ
私は
いつもここにいる
なぜ私は
舞い戻る
悲しい
嗚呼 悲しい
時にはこうして
真っすぐ鳴くと 良い
誰に何処に届かなくとも
悲しい
嗚呼、悲しい
乾かぬ羽根を
三角定規のように伸ばし
くちばしを
裂けんばかりに開き
私は求める、
瑞々しく光り輝く確信を