辻馬車にせよ競走馬にせよ
つまるところお前は
天に向かい 駆けたいのだな?
あの白と銀の雲の間(ま)を縫って
青い空のそのまた向こう
光り輝く奇跡の小凱旋門に到着し
挨拶をしたいのだな?
お前は 身軽な衣を着た
なんと可愛らしい少年だろう
その衣のように薄く儚くふわふわと
俺の真正面を向いて笑ってくれた
そんなお前を俺は好む、好み始めている
さあ 俺とお前は
ひとつになれるかな
お前は俺に 金貨をくれるかな
純粋さと茶目っ気と瑞々しさを手渡してくれるかな
天馬よ、そうだ俺はお前を天馬と呼ぼう
お前は天を求め続けた子ども
俺に天を忘れさせない子ども
だから死なないで
時折 俺の方を見てくれないか?