詩-30 ストックポートの空

実は何の気なしにやって来たけど

僕はこの町が好き

きっと僕の生まれ故郷とは違って

空が開けているからだろうーーー

何もないってステキなこと、

なぜってキミのいちばん大切なものに

素直に手を伸ばせそうだから

かく言う僕もね

ほら見てよ!

せっかく新調したばかりのブーツも

歩き過ぎて底が破れてしまい

足首もふにゃふにゃで 

お膝は寒さでギシギシさ

だって永遠に歩けそうな気がしたから

永遠に歩けそうってな幻想の向こうに

小さな答えがあるような気がしたから

だから僕はね

吹きっすさぶ北風のなか

独りうふふと笑ってしまったの 

『あなたはいますか?

ボクのそばにいますか?』って

語りかけることができるって 嬉しくて

期待してみるってのも 楽しい

きっと僕は一生そうやって

新しい写真を1枚1枚重ねて

登っていくのだろうなあ

ああ、もう時間だ、夕焼け小焼けだ

ストックポートの空さんよ

またいつか会いましょう

僕が来ないからって機嫌を損ねて

ばりばりがしゃんと落ちてこないよう 願っています。