ある朝
私はひと粒の干しブドウに
手を伸ばそうとした
何かが欠けているという
悔しさのあまりに
だから私は
あなたの姿を思い浮かべて
あなたに問いかけ 自問をした
数十秒が過ぎ
私は伸ばした左手を 引っ込めた
私はあなたを信頼する
なぜならあなたは
決してそそのかしはしないから
今日一日も
そして先に続く時のなかでも
無駄な行いではなく
なすべきことを果たすよう
右手に意識を注いで
口を閉じる
そしてこの心が足場を取り戻し
微動だにしない丸い岩となるように
あなたを吸い込み
あなたに任せることにする。