詩-63

平凡な男の歌う歌を

私は聴きたくない

饒舌な男からの恋文を

私は読みたくない

山小屋に篭もる陰鬱な男の目を

私は見たくない

けれど

針葉樹に囲まれた湖畔に佇む

背の高く黒い衣の男の後ろ姿を

私はずっと 見つめていたい

その心に潜む もうひとりの男を

私は深く深く 知りたい。