ひけらかしは、しない

私は元来、古風な人間だったのだろう。

黙っているほうが好きな人間だった。

 

大人になるにつれて、ひけらかしをする人間が周囲に増えた。馬鹿にされても耐えて黙っている私を、まるで知的障害者か何かのようにより一層馬鹿にする者もいた。それで私は純粋に傷ついた。

 

自分は資格試験で高得点を叩き出した、自分は人としてこんなに強く立派で世渡りもうまい、自分はあなたのようなガリ勉と違って要領良く生きている、自分はあなたと違って意識もモラルも高いーーー

 

私は自分の守護聖人エジプトの聖マリヤのような、美しく崇高・孤高な人になりたい。マリヤのように、あらゆる艱難を乗り越えて、忍耐・沈黙・謙遜という真の知性と美を獲得したい。

 

だいたいもう、人前でベラベラベラベラ、喋りたくないのだ。今までどれだけ自分を偽って、無理に自己主張してきたことだろう。いったいどれだけ、したくもない自己正当化と自己弁明を繰り返してきたことだろう。そんなの、自己定義とは違う‥。

 

きっと私は幼い頃から、周囲とは生きる基準が異なっていたのだ。これは熱心な仏教徒であった曽祖母の影響によるものだろうと思っている。

 

とにかく私は、外に撒き散らすよりも、内に秘めることを重要視している。納得のいく答えが出るまでは口を開かない性質の人間だし、言葉には敬意を払うべきだといつも思っている。

 

周りに流されてのひけらかしは、しない。自分を大きく見せない。それらはすべて、他人から伝染する悪癖だもの。私は本来の自分に戻るべきだ。