詩-68

人は獅子に言う、

お前のようながらくたを

愛する者など現れないと

お前のような愛のない空箱を

愛でる者などいやしないと

 

だから獅子も言い返す、

俺に愛を与えられなかった者が

なぜ今 俺の前で愛を語るのかと

 

獅子の瞳と牙は

憎しみの源を求めて 探り続ける

太い束となった尻尾を振り

飛びかかり 爪を食い込ませ

獲物を食い殺す

引きちぎられた肉と

剥き出しの骨には

やがて蠅が群がるだろう

 

獅子は涙を流しながら

空(くう)を切り裂き 

大地に踊る

シベリア、アフリカ、アラスカ、北極

すべてを駆け抜け 突き抜けて

銀色に光り 嵐に消える

憎しみを憎み 引きずり回して

嵐のなかに 震えて消える。