詩-85 雛

鳥の雛がいる

母鳥が働きこしらえた

小枝と石ころと糞でできた巣に

しわだらけの 半分はだかの雛がいる

羽根の生え揃わぬ翼を

八の字に垂れ

腹ばいになっている

 

私は思う

この子の両足の爪は

強く固く 伸びてくれるだろうか

厳冬の風に揺さぶられる木々の枝にも

しがみついて とどまっていられるであろうか

たとえその翼が

天敵に 人間に むしり取られようとも

仁王立ちして踏ん張れるような

強い脚を持てるだろうか

 

雛よ 

ぐにゃぐにゃで ひ弱な雛よ

木に 地に へばりつきなさい

その命が そのように保たれる限り

たとえ糞にまみれていようとも

お前は自分が生きていることを

この世に知らしめて 構わないのだよ

餌が欲しければ 

その口を大きく開けて ねだるのだ

私はお前の 

いまだ力ない ぶよぶよな肢体を

それでも期待を込めて 見つめているのだからね。