詩-87 私

暗闇のなかで死にそうなときも

北国の冷たい雨を思い出して

時空も香りも体温も

何もかもが その地位を失って

ばらばらに散るときも

あれも

それも

これだって

私なのよ

私だったのよ

まるで数珠つなぎのような

オパール色の涙のしずく

そこにはいつだって

私がいたのよ

 

世界はバラバラと

外壁を剥いで崩れていく

けれども私は

映写機で映し出された

この古い景色には

二度と 潜り込むことはないでしょう

 

いつだって私は私

私だった

 


Massive Attack- Teardrop