詩-97

あなたについて思うとき

血生臭いものは何ひとつ

私の眼前には描かれなくなった

 

それでは何がお前には見えるのだと

鼻で笑われ問われたとしたら

私は自分の新しい感覚に戸惑いつつも答えるだろう、

それは春の景色であると

野にはスミレやシロツメクサが咲き

ひばりが若葉をくわえて舞い上がり

小川の流れは雪解け水のように輝いて

私の両目を潤すと

 

そして不思議なことに

そこに死はない

あなたという人は

その上にも下にも周りにも

決して死をはべらせることがない

あなたという在りよう

あなたが足を置く地面

あなたを取り巻く空気

これらすべてが示すのは

ただ光

欺きも裏切りも疑いも打ち砕く

若く眩しい光なのだ。