詩-120 anchorite←→anchoress

さあ 世界

わたくしが黒い箱におさまることを

許しておくれ

わたくしの春夏秋冬のなかに

線香花火やきらびやかな愛の爆発は

不要なのだ

この箱の隙間より差し込む

おどおどとした午後の光、

それだけで 

それこそが

わたくしを満たす

品良くまとまった小さな丸パンと鰯、

その程度のものを投げ込んでくれさえすれば

わたくしの時間も 満ち満ちる

黒色の靴を脱ぎ

ベールでお前を隠したならば

そこからすべてが始まるだろう

わたくしは隠者

夜空へ暁へとつながる隠者

これほどまでの単純さというものが

これほどに真っ直ぐわたくしを生かすとは

昨日までの道すら 

これっぽっちも気づいてはいなかったのだ。