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生まれた時代が悪かったのか

それとも、私たちふたりと世界とのたった一度のタイミングが、あまりに悪かったのでしょうか

私は今も、あの日のあなたの漆黒の髪と後ろ姿を思い出します

そう、王立図書館の入り口脇の花壇、

うららかな春の陽射しを受けて

沢山の花がめいめい装いを競って

西風に揺れていましたね

そして 一歩一歩遠ざかる

あなたの背中

一度だけ申し訳なさそうに

振り向いてくれたけれど

あなたの瞳はその翡翠の指輪のように

眩しくもあり痛ましくもあり

受け止めるのが辛かった

あなたが悪いのではない

もちろん、あなたのお祖父様もお父様も

ねえ、どんな絵が必要かしらね

今もし、第2、第3のトロイの木馬を街に送り込むのなら

コンフェティとチョコレートとブーケを詰めて

空が真っ青になるのを心待ちにしましょう

流血の戦いは、私たちふたりにはとてもとても似合わないはず

大砲も、鞘から抜いた剣も、司令官の大声も、煙も混乱も憎しみも何もかも

私たちの未来には関わらないと信じていたのにね

とても悲しい

そう

ただただとても悲しいの

私の手元には それしか残らなかった

 

…いえ、それは大嘘

私の手元にはきちんとあなたの一部が残りました、

だから感謝しなければいけないのに

私は今日も今も

やっぱり悲しい

 

ごめんなさい

今もこんな弱虫で ごめんなさいね