そうだ、そうである
私は鉄の塊に乗り込もう
サイズは問わぬ、
小型戦車でも良かろう、
砂埃を上げて
ガタガタ・ベコボコ汚い轍を作って
灼熱の太陽の下なり
墨色の雲の下なりで
この地を進めば良いのである
敵はあらゆる方向から
パチンコ玉のような銃弾でもって
私の全身に穴を開けるつもりだろう
それをキン、カキン、コーン!とはね除けて
鉄の塊のなかで笑い、髪をむしり、泣き、
がむしゃらに腕を振り回して
進めば良いのである
ペールブルーの小鳥が繰り返し繰り返し
執拗に毛づくろい・身づくろいをしたのち
やがて空に飛び立つように
私も私自身を突いて 回転をして
空に向かえば良い
なぜなら私は独りだから
たった独りの つまらぬ紙の丸筒が
折れたりぐしゃぐしゃによれてみせた
陰なる闘いの跡なのだから。