詩-124 海岸市歌

忘却

忘却

さあ忘却だ

彼女は水色のシフォンドレス

素足に金銀の砂がきらめくよ

アンクレットは悲しく錆びかかって

ぼやけた水彩画のカモメが

向こうから水平に飛んでくる

少年は帽子を脱ぎ彼女に一礼する、

10メートルも離れた場所から

砂浜は広大、かつ海は不死身

ここでは嘘はつけぬのだ

忘却

忘却

さらにもうひとつ忘却

彼女と彼が向き合う時間は絶滅危惧種

ウォッカで洗い流すがいい

さあ おふたりさんよ

見つめ合うのはそろそろやめにして

海のほうへ体を向けたまえ

足の指をすべてしっかり開き

地面をわしづかみにし

そこからスタートダッシュを決め込みたまえ

今ならまだ遅くはない、

私と一緒に歌うのだ

忘却

忘却

そらまた 忘却

太陽が唸り声を上げて燃え尽きる前に

空にひびが入って落下する前に

水に戻り 歌うのだ

忘却

忘却

出発進行!