詩-127 向日葵

小学校のプールの横で

フェンスに背を向け 整列する向日葵。

世話焼き人を失い 飽きられて。

灼熱の太陽が訪れる前から

負けた種をアスファルトに落とし

黄緑色に枯れた長い首と手足でもって

早速、足もとに死んだ朝顔の真似事。

 

塩素の臭いで 

風になびいたあの娘の髪に

湿った思い出が絡みついた。

 

『顔をそむけさせてくだせえ、

日の目を見るのも

胸をふんぞり返らせるのも

性に合わないもんで。

摂氏20℃、東の風が数メートル

どうせ9月にもならぬうちに

肌はガビガビに割れて膝も折れて

こりゃあもうはいサヨウナラ、ですわ

諦め、諦め、諦めが肝心ときたもんだ』

 

だから太陽は朝になっても

顔を出さない、

随分と憐れみ深い人だこと。

飽きられて飽きられて飽きられて、

忘れ去られて捨てられて、

向日葵たちは水も飲ませてもらえない、

ただただ横一列に並んだまんま

足もとに生えた青い苔のむずがゆさを

嘘をついてこらえているだけ。