詩-132 嫌われ者の

森のもぐらが土を掻く、

クリオネを真似て ぱふぱふと。

奥へ奥へとほじくれば

とうとう壁に突き当たり

鼻をひくつかせピーハーと

壁にべたつき額ごとのめり込む。

若い時分には散々おごり高ぶったが 

いまや鑑賞に堪える言葉も吐けず、

恥で赤らむ頬は暗闇に隠し、

時折外から聞こえる音は

(聞け、聞け、木に留まるリスの堤太鼓の演奏だ!)

砂糖水のように流麗で誘惑的だけれども

中年に差しかかったもぐらには

まばゆすぎて手の届かぬぜいたく品というもの。

新緑の光と風は

もぐらを責めはせぬものの、

土埃かぶったその毛をすくわけでも

散策に招くわけでもなく、

天と地の 見えぬ境のように

彼をあなぐらに引きとどめ

今後もひとり その手で泥土を掻き続けるようにと

長い手指を伸ばして 繰り返し繰り返し説くのである。