残念ながら僕は君らの理解できない犬になる、帽子を被った星になる
トランクに詰めるべきものを考えた、
20年前のあれらの本など問題外だ
布地の黄ばんだ隅っこには靴下と時計でも押し込んでおこうか
真珠にメガネにポケットチーフは
見事に噓臭いイメージ
お前よ、なぜ怒る
なぜ憎む
なぜ孤独な夜しか頭に浮かばぬのだ?
タイムラプスの高速道路の何本もの光の隙間を僕は赤外線センサーをくぐり抜けるようにして嘘をつき偽りの笑顔で水に飛び込む、
夜の中で死んだとしても誰が信じて泣くだろう
教会の鐘は鳴れども彼の姿は午後3時の空気にも浮かび上がらず
僕の骨組みは解体されて地面にくずおれる、
まるでおもちゃの骸骨のようにカチャカチャカチャカチャ 滑稽な音を鳴らして
僕は君たちにすら想像し得ぬ雑多な恥さらし、ニセの輝きを放ってひたすらに走り抜けるだけさ、
加速、加速、長い尾をなお一層伸ばしてぐいぐいと
向こうへ
向こうへ
向こうへね