2020-05-23 詩-143 詐欺で構わないのです、 あなたがくれる詐欺ならば 黄色い 金平糖のような星がたったひとつ、 それしかない最後の「黒夜」に シーツもろともずぶずぶ背中から沈み 白い布と羽根のつり革が部屋の天井から伸び 私を引き上げ 最後の笑顔を保管してくれるのなら それならば私はあなたの詐欺について行くし そもそも詐欺なんかではなかったのだと 心を平たく 安らかにして そのまま流れていくことができるのです。