詩-144 達磨と時間

達・磨

ダルマ!!みたいに

ボクは生きてる

サテン地の みかん色した

ふにゃけた座布団の上で

笑ってるんだか 

はたまた泣いているんだか

とりあえず良くわからぬビー玉みたいな目ンコロふたつを回転させて

脚のない姿で 座っとるよ

目の前に 時間がいるのだけど

ボクはそいつに茶も淹れずに

暗がりのなかで そいつの膨れほっぺたを

黙って眺めてるところ

そう、今言ったけど

ボクには脚がないんでね

桃尻ひとつでしぶとく鎮座して

こやつが口を開くのを待ってるのさ

うん?

いや、

どうしたらいい

こいつを動かすためには

このボクが尻を擦って

こいつに向かっていけばいいのか?

それとも

いかにも「やりたくねえ」って顔のこいつが

心入れ替えるまで 

こいつのそばでニヘニヘ笑ってればいいのかい?

ただね、不思議なんだけど

昔はこのじじい

なんとボクより 脚が速かった!

(いや失礼、ボクには脚がないんだった、

でも言わんとしていることはわかってもらえるだろう)

ボクがどんなに腕ぶん回して急いでも

じいさんの逃げ足ときたら速いのなんの、

いつもボクを消化不良のまま置いてきぼりさ

だから

今こうしてこの親父が動かないのって

悪いことじゃないと思うわけ

「お?ちょっと足並み揃ってきたぞ?」

そんなふうに思えるわけね

んなもんだから

ボクこうして 翁とにらめっこ

この白髪頭のシワだらけの顔した

昆虫みたいに無表情な

それでいて滋養分たっぷりのじじいと

ボクが満たされるまで心おきなく にらめっこ。