音楽 地 靴底にへばりついた泥

音楽ファンには『てめえ、贅沢言ってんじゃねえよ』と非難されそうですが。

私は全くもってただの偶然で、しばらくのあいだリヴァプールに滞在し、全くもってただの偶然で、しばらくのあいだマクルスフィールドにも滞在していたことがある。

リヴァプールといえばビートルズ
私は本当にひょんなことから、ペニーレーンからさほど遠くない地区で生活しておりました。
こういうことを言うと本当に嫌われそうだけども、近いのでね、ごく普通の存在になってしまうのですよ。ペニーレーンしかり、マシュー・ストリートしかり、キャヴァーンしかり。

それから、マクルスフィールドといえば、イアン・カーティス(※生まれはランカシャーかな?)。
これまた申し訳ない。私はジョイ・ディヴィジョンニュー・オーダーも好きだけれど、熱烈なファンではない。
あんな小さな町、というか、もはや村と呼んでも良いであろう場所。精肉店とか時計店、日焼けサロン(!)のような個人商店が立ち並び、ちょっとちょっと、70年代のまま時間が止まってしまったのではないの?という雰囲気を醸し出した、あの町。
ああいう『なんもない』場所だからこそ、一部の人間の持つ創造欲と力はその衝動を抑えきれなくなって、爆発すべき時と場所を求めるのかもしれませんな。いや、そうでもないのかもしれないけど。

不思議なのだけど、夜に近所のガラス張りのビルなんかを眺めながら散歩していると、突然ニュー・オーダーの『regret』が頭の中で流れ始める。あのイントロ。そしてピーター・フックのベースに、地面をストーンと落とされる感覚。マンチェスターの近代的なビルを思い出すのかな。ヴィクトリア朝様式、ジョージア朝様式などの建造物とは対照的なビル群。それからメトロ(トラム)の警笛音。

別に向こうで生まれ育ったわけでも何でもないけど、懐かしさが体じゅうに染み渡る感じ。バカみたいに歩いて歩いて味わい続けた北部の地と雨と、靴底にへばりついた泥土なんぞを思い出す。とともに、なぜだかわからないけど、苦しくて痛くて泣きたくなる。

そういえばいつだったか、元MansunのPaul Draper氏と数回だけメッセージのやり取りをしたことがある。『あなたのご出身地の近くにしばらくいたんですよ、好きですリヴァプール』と言ったら、どうやら喜んでいただけた様子。お顔は見えなかったけどね。

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リヴァプールといえばCastでもある)


Cast - Sandstorm