2020-08-07 詩-159 秋 詩 秋は来る あなたのほつれた髪を見ても 何とも思わなくなったときに 秋は来る 赤ん坊のようなあなたの手指を見ても 心が揺れなくなったときに 秋は来る あなたを想像しながら 自分の鏡に向き合わなくなったときに だからそのとき 秋はやって来る 私からすべてを引きさらい 会話ひとつない空間を造り 涙すら出ない真昼に私をひとり立たせ、ますます埃っぽくさせ やって来る その虚しさもまた 幸せのうち その幸せもまた 虚しさのうち。