私にとって恋というものはいったい何か。
それは死を想起させるほどに狂おしくまた美しく、いつだって最初で最後の輝きを放つものであり、
絶対的かつ強靭な意志の力や知性によって光ほどの速さで突き抜けるものであり、
永遠を一直線に求めるものである。
6歳くらいの頃から漠然とそんなふうに思っていた。だから、世間一般的な恋愛はできない。
中学・高校時代にはよく思ったものだ、
周りの子たちみたいにわいわいキャーキャー、あの人がかっこいいあの人がスタイルいいなどと、一度でいいから盛り上がってみたい、と。今でもそう思う。思春期にそれができたら、どれだけ楽だったか。
ふと思うところあって、岩波文庫の『改訳・饗宴』と『改訳・パイドロス』を注文した。自分のため、一度は目を通しておかねばと思った。