詩-166 具材

私は具材

カルツォーネ

シェパード・パイみたいに

生地に包まれた具材

人参や玉ねぎや豚のひき肉みたいに

小さく小さく刻まれてしまった具材

絞られて

封じられて

押し込められて

上から潰された 中身

たぶんそれなりの味を期待されるだろうけれど

残念ながら私と私同士は 飽きていて

離れられなくて

傷むのも早くて

方々に駆け回ることを忘れてしまう

槍を持ち出して

内側から突いてみたらどうかしら

パイの皮を破り裂いて、めくって

空気を吸ってみようかしら

 

で、それで?

 

それで料理人も食べる人も

テーブルクロスの柄も

何か変わる?

 

残念、夢を見過ぎよ


せめて花瓶の水が3日後に取り換えられるのを眺めるだけ。