詩-168

コートを羽織り

しゃがんで革靴の紐を結び 

帽子をぐいと被り

立ち上がったならば戸を開ける

 

見上げた青と白とのマーブル模様が

じわりと目にしみる、

まるで指先でくゆらせた

葉巻の煙のように

 

見えないこと見せぬこと

消えること消せることを

私に許可してほしい

ざらついた地面に落ちた薄い人影が

その所有者を失い 切り離され

やがてこのマーブル模様に向かって舞い散るみたいに

 

静かであるとは良いことだ

いないというのも良いことだ

今日も明日も旅支度を繰り返し整える

私は

歩くと同時に足跡を消して

私からもあなた方からも遠く離れて

自由に穏やかに消え去りたい。