tête-à-tête 7

学科は何でもいい。哲学科がいいなら、そうしなさい。時代は変わったから、父さんはそこに口出しはしない。ただし、中途半端には終わらせないように。

 

ーーー鉄柵のてっぺんに、黄色い羽根の鳥が止まっていたんだよ。あれはカナリアか?カナリアは食用か?スカーフを首の周りに巻きつけてポキッと折れば、容易に仕留められるか?

 

最後まで、最高で最上のところまで、目指しなさい。時代が違う以上、何も私の父さんのように、国に従え尽くせとまでは言わない。けれどもこの国は、最低限、努力をすればしたぶんだけ、報われるようにはできている。

 

ーーー昔々、青と水色の綺麗な水の流れる小川があったとさ。そこへ百姓がひとりやってきて、そいつときたら、えいやそいやとそれはそれは力強く足を鳴らして追いかけ回し、小川の小魚やらタガメやらをすーべて踏み潰してしまいましたとさ。そら、お前、火を着けなさい、火を。

 

初めから穏やかで確実な道が用意されているんだ。生活も地位も保証される。それを故意にはねつける理由もあるまい。確実に、堅実に、決まったとおり、与えられたとおり。それが最善だ、最善の道だ。父さんもそうやってきた。お前も、そうしなさい。

 

ーーー空に向かって焼き肉を投げてやる。仕留めたカナリアの肉をな。ペシッと空の額(ひたい)に投げつけてやろうじゃないか。そうだそこだ、鉄柵のその鎖だ、その鎖を切れ、切っちまえ。そしてすべて蹴り飛ばせ、柵も、鳩も、門番も!アンドリュー・デクランは言った、私は今日も濃紺のインクに真実を語らせると。おいそこのお前、お前はいったいノートに何を書いている?

 

お前のためを思って言っているのだよ。悪いことは言わない、悪いようにはしない、たったひとりの愛する息子の幸せを願ってのことだ。学者になりなさい。お前は勉強さえしていればいい。何度も言うが学者になれば人生安泰だ、何もかもが保証される、幸せになれる。余計なことは考えなくて済むんだ。だから夏休み中の友達との旅行はやめなさい。友達に手紙をやって、出かけられなくなったと断りなさい。休暇中は日曜日を除いて、毎日10時間、勉強しなさい。未来の幸せのために。

 

ーーーその鎖はわたくしめの脚を足手まといになさいました、わたくしは自分のベッドへも自力で歩いては行けませぬ、刑務所の独房のようなこの部屋からは、小さな四角い青空が日に数時間、ふわふわするする見えるだけでございますーーーああ、酸っぱいミカンでも食いたい気分だ、そしてジャン・ルネの詩集に果汁を絞り落として今度こそ幸福になってやる!