tête-à-tête 17

この部屋を洞窟だと思って、さあ、一人ひとりロウソクを灯しなさい。そうだ、君らの顔が私によく見えるよう、整列してくれるかな。

そして教えてほしい。理由を。つまり、なぜか。あるいは、きっかけと言ってもいい。君たち一人ひとり、違うはずだ。それでいい。

私はなにも、過去にあったことをすべて継承してほしいとは思っていない。今と昔とでは政治情勢だって違う。むしろ君らには便乗してほしいとだけ願っている。君ら一人ひとりの事情に基づいて、めいめい、好む形で利用してくれたらと思う……。

それでは、左端から順に、聞かせてもらおうか。はい、まずはあなた。

ーーーはい。私は学者である曾祖父を失いました。三日月革命のずっとあとなんですが、自殺だったようです。

そうですか。ありがとう。では次、あなたは?

ーーーええっと。だ、大学受験に失敗しました。子どもの頃か、か、から、……す、すみません、僕きき、吃音……、

大丈夫。ゆっくり話して。

ーーーこ、子どもの頃から、いじ、いじめに遭ってて、ととと、友達も、いなくて、何をやっても、ダメ、でした。

わかりました。ありがとう。では、あなた。

ーーーはい……あのちょっとこれ、言いにくいんですが……、

言えることだけでいいです。

ーーーありがとうございます。僕は、その、性虐待被害者です。

話してくれてありがとう。それでは最後に、あなた。

ーーー最上級の愉快犯。

ーーーさっきあんた言ってくれただろ。むしろ便乗することだけを願ってるって。俺もコイツと同じように、虐待被害者なんでね。撃ち殺す。

君の名前は?

ーーーレイノルズ。シリル・レイノルズ。

……わかりました。ありがとう。それでは、一人ひとりに、ブローチと小銃を贈ります。これから君たちには、新アヴァリエ派の一員として、自由に社会に飛び立っていってほしい、自由に。今までしたくてもできなかったことを、してほしい。そのために、この小銃を用い、アヴァリエの基本理念を利用してくれたらと願っているよ。今日は忙しいなかわざわざ来てくれて、ありがとう。これで解散だ。