2021.05.12 散文詩:君みたいな僕でゴメン

ふとね、君の発した言葉の意味を、ようやく理解したような気がした。飲み込んだ気がした。

僕も君とほぼ同じ。僕にも再訪したい町があって、も一度思い出したい景色があって、再会できたならと願う異性がいて、再び遭遇したい月夜があって。

なぜゆえ、君と僕のあいだにはこうも数多くの共通項があるのかなと、君に対していつもいつも申し訳なく思う。真似っこをしているわけじゃないんだ。そうじゃなくって、僕は初めからこんな感じなんだ。それで、ゴメンと思う。

で、……せっかくの機会だから訊きたいのだけど、どうかな、君ならどっちを選ぶ。

過去と、未来と。

君の言うとおり、再び【そこ】へ行ったところで、当時と全く同じ内容の追体験ができるってわけではない。そうだよね。

それでも、つい脚を引っ張られる日があって、そのうえついつい、ボンヤリ時計を眺めてしまう。

そんなふうに引っ張られている僕の脚を見て、君ならきっと指差し笑うだろう。僕はたいていのことについては君によく似ていて、それが理由で常に謝りたいと思っているのだけれど、この件で指差し笑われたときだけは、例外的に反抗し、ムキになって抗弁するかもしれない。

それだけまだ答えが出ていないってことなんだろう、あの町のどこかで佇んでいる自分を想像したら、何とも言えない、孤独なミジンコみたいな肩身の狭さを感じたよ。