(教会敷地内のベンチにて。)
「ああ、マリヤさん」
「Archimandrite Василий !こんにちは」
「座っていいですか?」
「もちろん」
「何を見てますか」
「どんなvideoですか」
「Mock The Week」
「Mock The Week!マリヤさん、Mock The Weekが好きですか?」
「はい。ヒュー・デニスが好きです」
「マリヤさんは本当に日本人ですか」
「実はモンゴル人です」
「それはウソですね、ジョークですね」
「いえ、実はヒッタイト人でした」
「今生きてないですね、ヒッタイトの人。あれマリヤさん、お顔がいつもより大きいです。なぜですか」
「私の顔は元から大きいです」
「いえ、私はそうは言いません。ほっぺたがいつもより大きいです。右のほっぺた」
「It's a bee stung」
「それはstingですね。You sure? Doesn't look like it. Have you been to see a dermatologist?」
「I went to a gynaecologist instead」
「If you don't mind me asking…why gynaecologist? 」
「My baby son was due. He was popping out of my left nostril. Quite a violent blow ,actually」
「それもウソですね!! マリヤさんウソつきね」
「ウソです。すみません」
「本当は何ですか、少し心配です」
「大丈夫です。Just a swelling、腫れただけ」
「Really?」
「はい、reallyどすえ」
「ドスエ?」
「Just kidding, Archimandrite Василий」
「ドストエフスキー?」
「ドストエフスキーは読んだことがありませんねえ」
「それでは今度、私の本を貸しましょうか?来週の土曜日のお祈りに来ますか?マリヤさんあまりいないですね、土曜日も日曜日も。忙しいですか?」
「はい。土曜日も日曜日も、眠るのに忙しいです。でも来週は来れたら来ます。本、貸してくれますか?」
「もちろんですよ。10冊くらいは簡単です」
「10冊……」