もうそろそろの時分です-8

「そんなことはないです。メイさんはカークガードの『愛のわざ』読みましたか」

愛のむちですか」

「それは正しいタイトルではないですね」

「失礼しました。いえ、まだ一部しか読んでいません」

「the love for the deceasedはthe most selfless loveなのです。メイさんはそれを持ってますね」

「もしそうでも、人間の本質はその暴力性にあるんだって思う。人間はサタナに近い」

「メイさんは手紙で『近い将来、洗礼を受けたい』と言っていました。その『近い将来』はもう来てますね。2週間後、洗礼受けましょう」

「あ?え?ホントに?!」

「掌院ウソつかない」

「となると、えーっと、洗礼名とか、代父母さんとか、いろいろ考えないといけませんね」

「そうなのです。真面目なこと。だから掌院の私はウソついてる時間ないね」

「(あーたはあたいにそこを突っ込んで欲しいのかい?)えっと、ちょっとびっくりではあるんですけど、掌院がそうお考えなら」

「A good surprise? Or a bad surprise?」

「A pleasant surprise, actually. 」

「Didn't expect this would happen so quickly?」

「Not in a million years」

「Doesn't surprise me much, though. I could see from a start you have some kind of a potential.」

「Potential? Do you need a potential to be a Christian?」

「There was some kind of, well, an aura shining through you when I first met you.」

「Is that what it was?」

「私掌院だからね。いろんなもの見えるよ」

「Then can you guess what I'd like to have for tomorrow's brekkie?」

「ハギスでしょ」

「食べたことないですハギス」

「本当は私もないね。ニセのスコットランド人だね。ああそうでしたそうでした、私、本を持ってます。あなたに貸したい本」

「10冊ドストエフスキーですか」

「実は違いますねこれ、本じゃない」

「……はっ?ハア?!」

「びっくりしますか。CountdownのコンピレーションDVD。リージョン・フリーね。何回でも沢山観て返して下さい」