もうそろそろの時分です-9

「あ、お疲れー芽衣

「いやーホントお疲れだったわい」

「めっちゃ暑いしね今日。最高気温36度だって」

「午前9時に給食の白衣みたいな洗礼着被って、それはそれはもう暑かった。待った?」

「ううん、最初から20、30分早く来て遊んでるつもりだったから。十六茶爽健美茶、どっちがいい?」

「霊芝エキスとかないの」

「あそこのファミマには残念ながら。さきいかも買ってきた」

「塩分補給にうってつけだねえ。1本欲しいんだけど」

「待って袋開ける……はい、好きなだけ」

「メルシー。あ、やっばい今日返すの忘れた」

「何?」

「教会の神父さんから借りたDVD。これ」

「……って、はあ?」

「だしょ。なんでクイズ番組なのっていう」

「……意外と暇な方なのかもね、その人……」

「なんなら今日のホテルでDVDプレーヤー借りて一緒に観る?リージョン・フリーだし」

「観てもいいけど、つっまらなそう。あれチェックインって14時だっけ」

「うん。荷物だけ先に置かしてもらって、涼しいとこで遊ぼう。プラネタリウムとかは?」

「いいね、オッケー。洗礼式直後に教会と全く関係のないことやって盛り上がる私たちもどうかと思うけど」

「なんならホテルで卓球とかは」

「ビジネスホテルでしょ今日泊まるとこ。温泉街じゃないんだし」

「いやでも祝ってもらって嬉しいわ。ありがとー、類」

「どういたしまして」

「類のときはどうしたん?」

「私?覚えてないようそんなの。うちは1、2、…私含めて最低でも4代続くクリスチャンだから、幼児洗礼を越えて胚葉洗礼ってレベルだもん」

「でもまあ祝ってくれる家族がいるってだけで羨ましい」

「私は家族じゃないけどお祝いしてるよあなたのこと。だからいか燻買った」

「サンキュ。今度さあ、聖書研究会出てみない?飛び入り参加歓迎だっていうし。このDVD貸してくれた神父さんが毎週金曜夜にやってる会なんだけど。ハーゲンダッツが出るんよ、休憩時間に」