もうそろそろの時分です-11

(教会敷地内のベンチにて。午後8時。)

 

「暗闇でハーゲンダッツっていうのもいいね」

「あったかい季節で良かった。でないとポンポン冷えちゃうやん」

「私ラムレーズンなんだけど、芽衣は?」

「抹茶」

「ひとくち、いる?」

「みくちほどいただきたい」

「じゃ、今はあげない。帰りにコンビニで買ってあげる」

「ケッ」

「そこに座っているのはマリヤさんですか?」

「ワシリイ掌院」

「暗いね、ここ。お友達?今日の研究会出てるでしょ」

「紹介します。友人の類です」

「初めまして、類と申します」

「ルイさん。私はワシリイ神父と申します。おふたりとも、アイスおいしいですか」

「はい。私、抹茶。類はラムレーズンをいただいてます」

「ヤミナブみたいです」

「闇鍋、ですか」

「ああ、それでしたそれ。ところでマリヤさんルイさん」

「はい」

「はい」

「私、しばらくスコットランドへ帰りますね」

「えっ?なんでですか掌院。もしかして人事異動?」

「プライベートな問題ね。今日の終わりにも話しますけど。My wife's got injured. A car accident」

「ええっ?大丈夫ですか?!」

「奥さんいたのね、芽衣

「いや今はそれはいいから……」

「どうしましたか」

「いえ何でもありません、すみません。それでえっと、怪我の具合は」

「指、折った。もう退院しましたが、でも私心配だから、やっぱりチェックのためね」

「ひえー、骨折かあ……」

「ああ、あと5分ね。5分でまた研究会の勉強始まるね。おふたりともアイスはすべて食べましたか?」

「私はもう全部。芽衣はまだ食べてません。私が芽衣の残りを食べます」

「ちょっと待った類」

「あなたたちは仲が良いみたいですね。ルイさん、今日の研究会、最後までいてください」

「はい、喜んで」

「それではマリヤさん、私は教室へ戻りますから、5分後に会いましょう。それでは」

「ワシリイ掌院」

「はい、何でしょう」

「掌院もハーゲンダッツ、食べましたか」

「私、大学生の頃からveganね。だからアイスもハギスも食べないよ。ちょっと太ってるけどね、でもveganなんですから」