もうそろそろの時分です-14

グラスゴー市内、某教会の近く。)

 

「あなた歩きながらサラダ食べるのマナー違反よ、禁固325年」

「このプラスチックフォーク、ほんと使いにくい。レタス刺さらんかった。えーっと、ゴミ箱。えい」

「まあ、食欲が戻ってきたのはいい兆候だね。てゆーかそこで何してるの芽衣

「わかるでしょここまで来たら」

「なんとなく察しはつくけど正確にはわからない」

「キミもどーぞやってくだはれ」

「やだよう恥ずかしい」

「いいからこっち来て」

「もう!腕引っ張らんといて」

「いいかい?ここからあと数百メートルも行けば、あたいらのドッキリは成功するんだぜ」

「あたいらって言うかあなたお一人による作戦でしょ、それは。それに、なんでこんなふうに建物の陰に隠れて偵察する必要があるのよ。まだ数百メートルも先なんでしょ」

「何でも見えるって言ってたんよ、掌院は」

「は?」

「ワタシ掌院だからね、何でも見えるよって。だからきっと数百メートル先、いや数千メートル先からでも、こちらの姿が見えているに違いない」

「どうでもいいからお尻振り振りしながら様子うかがうのやめて。ほら、もう普通に歩きましょ」

「楽しみだなあ、うちらの姿見たら、どんだけ掌院驚くかなあ」

「これだけのためにわざわざここまでやって来たアホの中年女2人組」

「褒めてくれるかなあ。ケーキと紅茶くらい出してくれないかなあ」

「教会で来客対応する司祭さんもレアだと思うけど」

「ところで、今、何時?」

「うーん?18時45分」

「よし。了解。徹夜祷は18時から始まってるはずだから、ちょうどいい。今から教会に潜入して、按手のときに掌院の目の前に行けばいい」

「あなた一人でね」

「チミもやるんだチミも!」

「イヤよーう私は後ろのほうで立ってる」

「手のひらに東京から持ってきたチロルチョコを乗せておくんだ、いいな?」

「それ、まぢで司祭さまに怒られるから。あなただって、嫌われるために来たわけじゃないでしょ?」