もうそろそろの時分です-23

(10月。教会敷地内の小さな池の前にて。)

 

「ほれほれ、皆どもよ、盛大に食らいつきたまえ」

「……そこにいるのはマリヤさんですか?」

「ああ、ワシリイ掌院。こんにちは」

「マリヤさん、お祈りにはあまり出ないのに、なぜか突然現れるね。今何時ですか……午後4時ね。マリヤさんはそこで何をしていますか?」

「池の鯉にパンをあげています。鯉にも聖なるパンを」

「そのパン、コンビニの食パンだね。全然、聖パンではないね。マリヤさんやっぱりウソつきね」

「酷いなあ、ウソつきねーだなんて。お、ほれほれ、こっちにもあるぞー」

「Jokeですね、私が言ったの。今日はお友達のルイさんはいませんか」

「今日はずっと家で仕事してるようです、さっきメッセンジャーでやり取りしたら、忙しい~って言ってました」

「忙しいけどマリヤさんとは仲良くするんだね、私はマリヤさんとルイさんのfriendship、羨ましいね」

「ありがとうございます」

「ところでマリヤさん、この写真、見ますか?」

「ん?何でしょう?」

「私の息子の写真です」

「え?掌院の?うっわ髪の毛真っ赤!」

「そう、髪の毛、そ……えーっと、dyeしてるね」

「染めているんですね」

「そうそう、染める」

「随分若く見えるけど」

「24 years oldだよ。ワタシが27のときに生まれた」

「へーっ。24。いいなあ、若くて。息子さん、今はどこで暮らしていらっしゃるんですか?」

「今はね、ロンドンの近くで働いているよ。本屋。で、クリスマスに東京に来るね、彼」

「クリスマスって、今年のクリスマスってことですか?掌院に会いに?」

「うーん、ワタシに会うというのはmain purposeではなくて、ディズニーランドへ行きたいと言っているね、彼は」

「ディズニーランド……」

「なぜかというと、彼はオタクなんだね、ディズニーオタク。それにPixarとか、ワタシはよく知らないけど、彼はそういうの夢中ね」

「それじゃ教会とは全く関係のない仕事を?」

「自由に生きるのがいちばんだからね。ワタシ、止めない。それでワタシ、wifeも止めなかったよ」

「寂しくないですか、それで」

「寂しい?ううん、今ワタシは寂しくないね。とても幸せね」

「そうなんだ。なら、良かった」

「It's you, actually, 」

「え?私って?何がでしょう」

「Because of you. In this world I'm happiest when you're around」

「私が?」

「Yes, May. May I ask…Are you seeing someone? 」

「……え?あ?ええっ?!」