もうそろそろの時分です-29

(礼拝中の教会内。)

 

「マリヤさんは明日のお祈りには来る?」

「あー。明日はですね、友人と出かけることになってるんです。長いつき合いの子なので。サラさんは?」

「私?私も出ない。ウチの人、焼き肉食べに行きたいからお前もついて来いってうるさいのよ」

「確か旦那さん、膝のケガ回復されたんですよね?」

「うん。だーから余計よ。体力つけないと二度とウォーキングできなくなるからって。ひとりで行けばいいのに、ねえ」

「サラさんとじゃないとつまらないからですよ、きっと。おひとりで外食、それも焼き肉ってのは、ねえ」

「自分の友人誘えばいいのに、なんで私なのかしらー。あーうっとうしい」

「フフフ。まあ、いいじゃないですか。仮面夫婦で険悪なムードよりはマシでしょうから」

「Mary, Sara, stop talking」

「はーい。スミマセン、シスター」

「すみません」

「Mary、あなたはAlistairの相手して」

「え?いやあ、大丈夫ですよ、他に英語話せる人は沢山いるんだし、ワシリイ掌院の息子さんなんだし。私、聖所でローソク灯してきますね」

「OK. そうそうSara、この前アナタに貸した本……」

「マリヤさん!ちょっとマリヤさんどうしたの!!」

「Mary!」

 

(聖所の敷居を跨ぐなり、失神して床にくずおれる芽衣。聖徒数人、アリ、それから祈祷中のワシリイ掌院も急いで彼女のもとに駆けつける。)

 

「マリヤさん、どうしましたか?!マリヤさん!」

「シスター、どうします救急車呼びます?」

「彼女どこか具合悪かったっけ?」

「私、知ってるね、マリヤさんの病気」

「え?掌院、ご存じなんですか?」

「以前、マリヤさん話してくれたね。たぶん、その病気が理由だと私思う。病院のカード、マリヤさん持ってるかな」

「診察券ってことですか?シスター、マリヤさんのかばん、開けたらまずいかしら」

「そこは私が責任持つ。Maryの荷物、どこ?」

「啓蒙所の椅子の上に。ほらあの赤いバッグ」

「OK、ちょっと見てくる。薬手帳もあるといいんだけど」

「……シスター、掌院」

「マリヤさん、気がつきましたか」

「大丈夫?Mary」

「……るい……、類に連絡お願いできますか……、私の友人で、携帯の番号ならバッグの中の手帳に……緊急連絡先だから……」

「わかった、Mary。私がこれからその類って人に電話してみるから。ワシリイ掌院、アリ、それからサラにセラフィムバルトロマイ、あなたたちはMaryのこと見てて。かかりつけの病院に搬送できるなら、そうしましょう」