もうそろそろの時分です-30

芽衣のかかりつけ病院。病室。ベッドで眠る芽衣。廊下でワシリイ掌院と類が出会う。)

 

「ああ、ルイさん!良かった、来てくれて」

「すみませんお待たせしちゃって……で、あの、芽衣は」

「この部屋です」

「一緒に入りましょうか」

「そうだね。マリヤさんの様子、見てみましょう」

 

※※※※※※※※※※※※※※

 

芽衣入るよ……ワシリイ掌院、この椅子を。芽衣、眠ってるの?」

「………………類」

「ずっと寝てた?」

「……うん……、……あれ……、ワシリイ掌院も」

「来ましたよ私」

「………えっと、私、どうしたんかなあ……」

 

(ノックとともに病室のドアが開く。)

 

「失礼しますねー黒川さん」

「……小林先生」

「あ、おふたりは付き添いの方で?」

「はい、私は芽衣の友人で、こちらは教会の神父さまです」

「私はワシリイ掌院と申します」

「ああー、これはどうもどうも。教会のことはときどき黒川さんから伺ってます」

「で、それであの、芽衣の容態は」

「あーもう心配ないですよ、今日できる検査はひととおりしたけど、こりゃ過労だね」

「良かった…………良かったです。ね、掌院?」

「……ああ、あの、sorry、私涙出てきたよ」

「病気が原因で起きたわけじゃないから。おふたりともそこはご安心していただきたい。微熱があるけども、まあ数日で治まるでしょ。黒川さん、当面ゆっくり休もうか。頑張り過ぎだ」

「…………私としてはそんなに無理してるつもりはなかったんですけど………」

「治療を頑張ったのがまずひとつ。治療を受けながら日常生活を維持しようと頑張ったのがふたつめの原因。あっぷあっぷ、いっぱいいっぱいなのに気がつかなかったんでしょ。まあゆっくり休んでよ」

「……はい。それで、退院はいつ頃」

「あと3日見てくれるかな。熱が落ち着くまで。ここの病院食、結構うまいんだよ。もちろん、歩けるなら6階のカフェテリアで食べてもらってもいいし。黒川さん、ぶどう好きなんだよね?あそこグレープジュース売ってるから、行けたら行ってみたら?」