もうそろそろの時分です-33

(教会にて。)

 

「そうなの。うちの従姉妹、むかーしリスザル飼ってたの。他の猿もそうなんでしょうけど、リスザルって発情期になると人にも噛みつくし、障子は破るし、カゴもガシャガシャ揺らすし、もううるっさくてうるさくて」

「私、犬猫でも面倒見きれないのになあ」

「あたしだってあんなのムリよー。うちの従姉妹、とにかく動物好きで、他にも……ああ、ハゲマリヤさん、こんにちは」

「あ、ハゲマリヤさんだー」

「………もう、いつから私にそんなあだ名がついたのですかっ」

「あれからお加減いかが?」

「おかげさまで元気になりました。ただの過労でした」

「ハゲとは無関係だったのねマリヤさん」

「ウェラさん。ハゲと言ってもですね、そこまで深刻なハゲではないんですよ。なんならお見せ…」

「Mary、ちょっとこっち来て」

「シスター。何でしょう」

「あなたしばらく仕事休んでたのよね、病気で」

「はい」

「ここのところ体調はどう?」

「おかげさまでだいぶ」

「そう。なら、教会の仕事、ちょっと手伝ってみない?」

「え?」

「ワシリイ掌院が言ってた。あなたちょくちょく鯉や金魚に餌やりしたり、花壇の水やりしたりしてるって。だから庭仕事とか、軽作業なんだけど、ちょっとだけやってみない?」

「私で良ければ……」

「もちろんよ。全く見ず知らずの人に頼むわけにもいかないし。それと、結婚式と葬儀のときにも少しだけ手伝ってもらうことになるわね。お花のセッティングとか」

「ああもう、喜んでお受けしますよシスター」

「良かった。体に負担にならない程度の作業だけど、最初は無理せずにね。ああっと、それからもうひとつ」

「何でしょう?」

「ワシリイ掌院のことなんだけど。ここの主教になる可能性、出てきたわね」

「えっ?ホントに?!」

「恐らく、もうスコットランドには戻らないで、ずっと日本にいることになると思う。だからMary、勉強するならワシリイ掌院に付きなさい。そしたら掌院もhappyだと思うわ」