もうそろそろの時分です-54

「そうか……、そうですよね。お父様とワシリイ主教と、ふたりだけか……」

「でもMayはひとりだよね」

「?」

「familyのなかにいないのだよね、他に。Christianのmembers」

「ああはい、そうですそうです。私だけです」

「それは強いね。勇気があります」

「そうだろうか……」

「そうです。神さまに選ばれたというのもあるけど、Mayもdecision makingしたわけだからね。頑張りました」

「だといいんだけど。それであの、ワシリイ主教」

「Yes?」

「今ここであの、右手に接吻をしてもよろしいですか」

「ええ?どうして?私、今、普段着だよ。主教の服着てない。普通の人間」

「うん。それはね。いいんです。ほら私、頭にショール巻いてきたし、ネックレスもしてるし、ちゃんとシャツ着てきたし」

「ああ。そういう理由だったのですね。だからたぬきのぬいぐるみは、もう着ていないのですね」

「はい。糸電話も部屋に置いてきました」

「わかりました。では、一緒に立ちましょう」

 

芽衣、一度跪いてから主教の右手に接吻する。)

 

「神の祝福があられますように」

「主教さま」

「はい」

「私でよろしいでしょうか」

「?May、あなたが、とは?」

「主教さまが最後の日まで教会のお仕事をなさるのを、私が遠くからお助けしてもよろしいでしょうか?」

「May」

「本当はなんにもできません。恋をすることもできません、主教さまのために何か特別な仕事をしてさしあげることもできません、ただ遠くから見ているだけなのですけ……」

「Thank you. Thank you so much, May. 聖なるたぬきに神の御加護がありますように!」

 

(ワシリイ主教、芽衣の額に接吻をする。)