もうそろそろの時分です-62

(5月3日。教会にて。)

 

「この教派の教会暦ではあさってが復活祭なのね?」

「うにゃ。そのとおり。よくお勉強しとるね類くん」

「それもあるけど、この前からあなたがずっと毎日毎日言ってるからよ、キルケさんとショーンさんの誕生日だ誕生日だあって。それで覚えちゃったの」

「喜ばしいことはより多くの人々に分かち合ってもらわないとね」

「どれがいちばん喜ばしいの」

「はん?」

「はん?じゃなくて。復活祭とキルケさんの誕生日とショーンさんの誕生日のなかで、どれがいちばん喜ばしいのかしら?」

「さあ。3つともおめでたいことだから、順位はどうでも良いではないか。あ、類、あたいちょっとローソクつけて回るんで、類はここに座ってボーッとしてて」

「わかった。ドーム天井でも眺めてる」

 

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「ずっと眺めてると首凝ってくるなあ。綺麗だから、つい…」

「え、類ちゃん?」

「?」

「え、え、ウソやだそこにいるの類ちゃん?」

「えっ……」

「覚えてる?高校2年のときクラス一緒だった、佳夏(よしか)だけど」

「あ。うん。山下さん。山下佳夏さん、だよね?」

「そう!ヤダー覚えててくれた!え、何?なんで類ちゃん、こんなところにいるの?」

「なんでって……」

「え、だって類ちゃん、こういうところ、はっきり言って似つかわしくないじゃなーい。あたし、今でも覚えてるんだから。一時期、ヘンな噂立ったじゃない?類ちゃんとC組の女の子が怪しいって。あれって噂じゃなくて、ホントの話だったんでしょ?だから、なんでこんなところにいられるのかなあ?ってついつい今あたし思っちゃってー」