月夜に狩る人、喘ぐ人。-6

ハーバートが牡蠣の貝殻をぶちまける音を聞きつけ、ブリキのキリンが食堂に入場する。キリンは杖をつきキコキコと4つの車輪を回しながら、ハーバートのそばにやって来る。ルビー色の目でハーバートをしばし見つめたのち、キリンはハーバートに尻を向け、背中に乗せてきた料理をテーブルに飛ばす。

 

「ご苦労!」

 

ハーバート、フォークでテーブルを叩く。キリン、首を深く曲げ恭しくお辞儀をし、退場する。

 

「麻婆春雨に豆のサラダか。滅茶苦茶な順番だな。まあ赦してやる、」

「でも良かったじゃない」

「何が」

「とりあえず滞在許可が下りたから、今ここにいるわけでしょう」

「まあな。熱っ、春雨が塊になっとる」

「で、何してるの」

「は?」

「は?って、オジサンもう少し自分の口の利き方考えたら?さっき言ってたけど教授なんでしょ?」

「ああそうだ、俺は教授だ」

「話し方といい食べ方といい、全然、品がないじゃない。それで、何を研究なさってるの?」

「人口調査だ、」

「え?」

「専門は統計学なんだがな。この惑星王国の総人口とその全体に占める各世代の割合から、何人の準備兵を育成することが可能であるかを算定しようとしているところだ」

「準備兵?そんなの、何のために用意するの」

「復讐だよ、俺個人の復讐作業のために、主にこの星の若年層に兵役に就いてもらう」