「正確にはね、脂肪だの香料だのってことが問題なんじゃないの。何グラム含まれてるかってことが大問題なの」
「同じことじゃねえか」
「全然違うわよ!いい?大事なのは数字よ、数字。いったいどういう数字によってあたしの身体内部が埋め尽くされていくかが大事なの」
「何じゃそりゃ。わたしのカラダは数字でできているってCMでもやる気か?」
「宇宙人のくせにCMなんてこと知ってるのね。そうよ、そのとおりよ。あたしの体の内っかわには数字が整列してるの、それも規則正しく美しくね」
「だとすれば俺はどうなる。チーズの脂肪が腹膜にベットリ着いてます、眼球の真裏にはえのき茸が貼りついてますってか?」
ハーバート、冷めてしまったココアでうがいを始める。