月夜に狩る人、喘ぐ人。-17

どこからともなくオルゴールの曲が流れる。クマの人形、オルゴールに合わせてくるくる踊りながらハーバートに言う。

 

「ワタシニモ・オシエテクダサイ・アナタノヒミツ・ハーピーサン」

ハーピーじゃねえよ俺は、」

 

リカコ、ウエハースを指先で弄びながら再度ハーバートにたずねる。ハーバート、仕方なしに話を始める。

 

「ルボール星はな、基本的に配給制の王国なんだよ、すべてではないにしろ」

「食糧が、ってこと?」

「ああ。とりわけ、主食には困らん。米、麦のたぐいにイモ類、草の根っこみたいなやつも含めてな」

「最低限のものは誰しも平等に与えられるってわけね」

「ああ。まあな。ただしそこは問題ではない、」

「じゃあ何が」

 

ハーバート、ウエハースを数十枚口に詰め込み、口の周りを粉だらけにしながら噛み砕く。小麦の粉と砂糖がテーブルに飛び散る。リカコ、顔をしかめる。

 

「栄養素の操作だ、」

「え?」

「王と役人が結託して、食料品中の栄養素を操作していた」

「何それ」

「ルボール星人全体を国王の都合に合わせて奴隷働きさせるために、脳からプロパガンダ操作することにしたのだ奴らは。書き換え操作ってやつだな」

「えー何それ、マジで?」

「おうよ。マジのマジの大マジよ。それを阻止しようとしたのがこの俺様だ。それで俺は国王・役人双方から嫌われて、お前の言うところの島流しとなった次第だ。どうだ、偉いだろう」