リカコ、自分の隣で鼻息荒く座っているハーバートを見る。
「あたしが殺したんだもの、殺したようなもんなんだもの、」
「さっきの話か?婆ちゃんが死んだときのことがどうたらこうたら。それはお前の責任じゃないだろう?いつまで自分に関係のないことでメソメソウジウジしてるつもりだ」
「あなただって食べに食べてるじゃない、あれはじゅうぶん病気よ!」
「俺はひたすら食うだけだ、お前のような愚行はせん。そもそもこの世には、お前と違って食いたくても食えん連中がごまんといる。そいつらに比べたらお前のしていることの次元の低さといったら、おい少しは自分で気づけや」
「低いんじゃないわ。【そもそも】って言い方をしたいのなら、あたしの問題はそもそもが別次元の話なの!比較されたくない。それにあなただって、あたしのことを非難する傍ら、そうやって自己正当化してるじゃない。卑怯よ、ハーピーちゃん」
「俺はハーピーちゃんじゃないって何度も言ってるだろうに!」
ハーバート、怒りのあまり床をドンと蹴る。リカコ、一瞬ひるむ。