月夜に狩る人、喘ぐ人。-27

ハーバート、数秒間ためらったのち、リカコに打ち明ける。

 

「なあストライピー、おぞましい話なんだけどもな、」

「おぞましい?」

「ああ。【書き換え】られた子どもたちのなかにはな、斧だの槍だの持ち出して、国王に反対する連中を次々と斬り殺していった子もいたんだわ」

「いくつくらいの子たちだったの」

「さあな。見た感じでは9つから12歳だったな。本来からして難しい年頃なんだろうが、それとは無関係に洗脳操作されてしまった子たちなんだから、まあ、そういう殺傷行為もちゅうちょすることなくやっちまってな。血みどろとか、流血の惨事云々って表現がまさにピッタリだったわ」

「そうだったの。それじゃあなたがショック受けるのも無理はないかもね」

「本当にそこが最大原因だったかは、正直俺にもわからん。ただな、俺はな、お前についてはひと言言えることがあってな」

「何。またお節介にお説教?」

 

リカコ、床に落ちたリボンを端から小さくたたみながら、拗ねた顔でハーバートに訊く。ハーバート、天井を睨みつけたのち、リカコに言う。

 

「食え。婆ちゃんのためではなく、今のお前のために食え。ガキの頃のお前を葬り去って、今のお前のために食え。お前がするべきことは、それだけだろう」